数理物理研究所Mathematical Physics Labo

2026-07-17

クリーンルーム設計はなぜ過剰になりがちか——数理モデルによる換気回数・清浄機台数の最適化

クリーンルーム設計における清浄度クラスの基本

クリーンルームの清浄度は、国際規格「ISO 14644-1」で定められたISO Class 1〜ISO Class 9という区分で管理されます(日本国内でもJIS B 9920としてこの規格に準拠しています)。数値が小さいほど清浄度が高く、たとえば半導体の前工程ではISO Class 5前後、後工程やアセンブリ工程ではISO Class 7〜8程度が求められることが一般的です。

清浄度クラスを維持するための重要な設計パラメータが「換気回数」(1時間あたり室内の空気が何回入れ替わるか)です。換気回数が多いほど清浄度は保ちやすくなりますが、その分、空調設備の建設費・稼働にかかる電力コストも増加します。

なぜ多くの現場で「過剰設計」になりがちか

クリーンルームの設計では、要求される清浄度クラスに対して、ガイドラインが推奨する換気回数の目安(レンジ)が示されています。しかし多くの設計現場では、このレンジの上限側をそのまま採用する傾向があります。これは安全に倒した判断ではありますが、実際に必要な換気回数を大きく上回るケースが多く、建設費・電力コストの両方で無駄なコストを生みやすい設計判断です。

数理モデルによる最適化アプローチ

数理物理研究所では、室内の粒子発生源・気流パターン・清浄度クラスの関係を数理モデルで解析し、目標とする清浄度を実現するために「必要十分な換気回数と清浄機の台数」を算出します。歩留まり(良品率)を損なわずに、過剰設計を解消することが狙いです。

この解析手法は、代表がFermilab(米国フェルミ国立加速器研究所)・SLAC(スタンフォード線形加速器センター)での素粒子物理学研究を通じて培った、気流や粒子挙動を数理モデルで解析する手法を応用したものです。感覚や経験則ではなく、定量的なモデルに基づいて設計値を導き出す点が特徴です。

実績:大手ゼネコン見積もりと比較して最大70%のコスト削減

関係者への技術助言として実施した事例では、大手ゼネコンが提示した換気回数・機器台数の見積もりに対して数理モデルによる再計算を行い、建設コストを最大約70%削減した実例があります。要求される清浄度クラスを満たしながら、過剰設計部分を的確に見極めた結果です。

ご相談の流れ

「今の設計が過剰かどうか分からない」「見積もりが妥当か判断できない」——そうした段階からのご相談も歓迎しています。数理物理研究所では、確かな数理モデルに基づいて、清浄度と運用コストの両立をご提案します。

ご相談はお気軽に。

課題の内容に応じて、最適なアプローチをご提案します。

お問い合わせ